二十一世紀女刑務所 ＩＮＤＥＸ ＢＡＣＫ ＮＥＸＴ
第２回 朝の全裸検査（１）
朝の全裸検査 検便検査 刑務所の朝は夏は六時起床、冬は六時三十分起床です。 洗顔 して、朝食、排便の後、八時より工場での労役に服するか、希望により、職業訓練があります。新入りは新入り訓練に服する事になります。 排便の後、居住房の前の廊下に整列し、笛と号令で足を高く上げ、手を大きく振り、身体検査場（身検場）に通 じる脱衣場に分列行進で向かいます。 脱衣場と身体検査場は居住区に隣接した別棟で、居住区から工場、訓練場などに行くは必ず、この脱衣場、身検場を通過する事になっているのです。 女囚はこの脱衣場に入ると先を争って全裸になり、房内衣、房内下着を脱ぎ全裸となり、自分の番号のフックに掛け、全速力で廊下を走り別棟の身検場に向かいます。この 脱衣場と身検場の間の渡廊下のみが、全女囚に独歩が許されているのです。実際には全裸裸足で疾走します。 身検場は丁度体育館のような建物です。 我先に走り込んだ女囚は床にひかれた三本の青い線に沿って整列します。 生理中の女囚は一本引かれた白線に沿って整列するのですが、もう一本赤線が引いてあり、これには最初は並ばない事になっています。 全員が整列し終わると、各列の最後から五人目までが気合いを入れられます。 最後尾の女囚が足を若干開き、手を上に上げ、尻を突き出す姿勢をとります。 竹刀でその尻に最後尾の女囚は五発、次は四発、そして三番目の者は三発と気合いを入れられます。気合い入れが終わった順に今度は赤線に整列します。この赤線はチロリン線と呼ばれており、少しとろい女囚の事をチロリンと呼ぶのです。 カンカン踊り 整列し終わった全裸の女囚は各列の先頭から、前に進み 検査官の前に直立し、手を万歳の形に上げ、掌を見せて、自分の番号を絶叫します。傍らに竹刀を持って立つ警備部員が「いーち」と号令を掛けたときに右足を上げ、足の裏を検査官にみせるのです。 この時に口を開け、舌を出して横に振ります。 さらに「にー」の号令で左足を上げ、 「さーん」でもう一度右足を上げますが、この時は両手で 乳首をつまみ乳房を持ち上げます。「よーん」で左足裏をもう一度検査官に見せます。 これで、口の中、脇の下、掌と足の裏、乳房の下になにも持っていない事が検査されるのです。 検査官に「よーし」と言われると、女囚は右向け右をし て検査官に横向きとなり気を付けの姿勢を取ります。検査官は五十センチほどの柄の先に取り付けた直径三センチの赤色のゴム印を女囚の左の臀部にポーンと打ち付けて検査済み証明とします。これはカンカン踊りと呼ばれています。 M検と検便検査 検査の終わった女囚は、検便検査を受ける為に前に進み、整列する。 検査官に頭をさげ、尻を検査官に向け、大きく足を開き、床の足形に足を乗せると、側立する警備部員が掛ける「いーち」の号令で、腰を落とし、膝に手を置き、膝を外側に押し開きます。「にー」の号令で、手を床の手形につけ、尻を思い切り上げ、突き出します。「さーん」 「しー」の号令で検査官が直径二二ミリのガラス棒を陰 部に押し当てます。この時に思いっきり息を吸うことになっています。次に 「ごー」の号令で、口を開け、ゆっくりと息を吐きます。同時に膣にガラス棒が挿入されるのです。膣より引く抜かれた検査棒は、今度は警備部員が「ろーく」「しーち｣と号令を掛けると同時に検査官がこの検査棒で肛門を軽く突きます。女囚はこの時、また、思いっきり息を吸います。 警備部員が「はーち」と号令を掛けたときに顔を上げ、口を開け、ゆっくりと息を吐き出します。同時にガラス棒が肛門の奥深くまで突き込まれます。突き込まれた後、グリグリと回され、「よーし」と検査官に言われたときに女囚は咳をすることになっています。これによりガラス棒の肛門よりの引き抜きが楽になるからです。 検査棒が抜かれた後、女囚はそのままの姿勢を保ちます。検査官が今度は青のゴム印が先に付いた棒で臀部に『○』の印判をポーンと捺した場合は検便検査合格で、そのまま進み、別棟の脱着衣室へ進み、前日、作業終了の時に脱いだ自分の番号を貼られた作業衣を着ることが出来るます 全裸検査、M検査、検便検査は、所持禁止の隠匿の検査、また、女囚の健康状態のチェックの為とされていますが、屈辱的な姿勢で衆人環視の中で検査を執行すること により、女囚達に自分の立場を体でわからせて、服役態度を良くする事に本当の目的があるのです。特に、肛門の検査、検査棒の挿入は女囚の再犯の防止に高い効果がある事は統計的に証明されているとのことです。 更に、検便検査は規則に従い、朝、排便をしたかの検査も兼ねています。また、直径二二ミリの肛門検査棒を突っ込む事により、直腸を刺激して排便を促し便秘を防ぐ効果もあります。また、痔疾の場合もその症状の進行が止まることが確認されています。 第２回 おわり 2001/9/26 ＮＥＸＴ |